
つみたてNISAがお得ってよく言われるけど
購入することになる投資信託って何なんだ?

色んな株が詰まった箱みたいなもんかなあ・・・
まあ順番に説明していくね
近頃、つみたてNISAで投資デビューを検討中の方が多いようです
そんな人にとって投資信託という言葉はなじみが薄いかもしれません
投資信託にもいくつかの種類があり、銘柄によってリスクもさまざまです
この記事を読むことで投資信託の基礎知識と運用するうえで注意すべき点がわかります
投資にリスクはつきものですが、みえている事故は避けるべきです
じょうずに事故を避けて、自分が許容できるリスクの範囲で資産を運用しましょう
投資信託とは
投資信託とは株や債券を詰め込んだ箱(パッケージ)
色々な運用会社が、色々なテーマの箱を売っています
例えばアメリカの株だけを詰め込んだ箱、世界中の株を詰め込んだ箱、自動運転に関する株だけを詰め込んだ箱、債券や金など色々な金融商品を詰め込んだ箱などさまざまです
投資信託には目論見書という説明書がついています
これを読むことで箱の中身を確認できます

まず投資信託のイメージをつかんでもらうために
かぴおが過去に積み立てNISAで購入した投資信託を例に出します

この商品はeMAXIS Slim 先進国株式インデックスという投資信託です

eMAXIS Slimは三菱UFJ国際投信という会社が運用しています
ごぞんじ国内メガバンクが母体ですね
かぴおは積み立てNISAを利用して過去15ヶ月間で499,992円分購入し
いまのところは+32.41%の利益が出ているようです
ちなみに銀行に50万円を寝かせてたら利息は5円(から税金引かれる)でした

税金引かれたら五円チョコも買えん・・・
かぴおを含むたくさんの人たちから集めたお金で、どんな株を箱に詰めたんでしょうか

一番多いのがApple株で全体の4%です
かぴおが購入した50万円分の箱の中には、2万円分のAppleの株式が入っていることになります
あなたが投資信託を通じて購入するのは、この株式の集まりであるという点を意識してください

アップル、マイクロソフト、アマゾン、グーグル、フェイスブック・・・
有名企業の株式を適当に買ってるのかな

そんなわけないでしょ
先進国1286企業の株式に分散投資してます

1286企業も株を選んでたら
ジジイになりそうじゃ・・・
ここでは深堀しませんが実際にはジジイになるどころか、非常に合理的かつ効率的にインデックスファンドの銘柄は決められています
株式
会社の成長や事業の成功に期待してお金を払った出資者に発行されるものです
昔は紙で発行されていましたが、いまは全て電子化されています
投資信託の仕組み

そ、そういや楽天証券がつぶれたら、積み立てた投資信託はどうなるの?

かぴおくんのお金は楽天証券の資産とは別に管理されているよ
投資家→販売会社→運用会社→信託銀行
私たちは楽天証券などの販売会社にお金を払って投資信託を購入します
このお金は運用会社が運用して、信託銀行が管理します
冒頭で例に挙げたeMAXIS Slim 先進国株式インデックスの場合だと
集めたお金を運用するのは三菱UFJ国際投信株式会社
集めたお金を管理するのは三菱UFJ信託銀行株式会社です
そして、そのうちのどこかが倒れたとしても顧客の資産は守られます

そうはいっても全部三菱UFJじゃないか
つぶrtr

法律で守られているから落ち着いて
最悪でも現金で出金できます
投資信託の種類
投資信託には大きく分けてアクティブファンドとインデックスファンドがあります
アクティブファンドは市場の平均を上回ることを目指したファンドで
インデックスファンドは市場の平均に連動することを目指したファンドです
ファンド
ここでは「投資を目的に集めた資金を運用する専門家集団」を指します
米国バンガード社や三菱UFJ国際投信など

市場の平均を上回った方がいいだろ、どう考えても

ところがそうはなりません
コスト(手数料)が全然違うからです
アクティブファンドが市場の平均を上回るためには安い時に買って高い時に売らなければいけません
つまり超優秀な高級取りを集めて、超売ったり買ったりしまくって市場(他の超優秀な人たち)と勝負しなきゃいけないわけです
ところが資産運用会社バンガードのディレクターとして何十兆円もの資産運用を手がけた
バートン・マルキールは株価の予測に関してこのように述べています。
「目隠しをした猿に新聞の相場欄めがけてダーツを投げさせ、それで選んだ銘柄でポートフォリオを組んでも、専門家が注意深く選んだポートフォリオとさほど変わらぬ運用成果を上げられる」
ポートフォリオ
保有する金融資産の組み合わせ
ここでは投資信託の箱(パッケージ)の中身を指している
要するに株価の短期的な動きを予測するのは不可能なので
高い給料を払って投資のプロに頼むより手数料がタダ同然の(?)猿に選んでもらった方が得だということです
そして長期の運用成績でいうと一流のプロに猿ことインデックスファンドが勝ってしまうのです
アクティブファンドを選ぶかインデックスファンドを選ぶかは投資目的によりますが
少なくともつみたてNISAで長期運用するならインデックスファンドです
バートン・マルキールが書いた「ウォール街のランダムウォーカー」は50年前に出版された本ですが
時の試練に耐え今でも長期分散投資の古典として多くの人に読まれています
投資信託のメリット
シンプル
どんな会社にもいい時と悪い時があります
Appleの株価もどん底まで下がった時期がありました
そんな暴落時のダメージを小さくするために、色々な会社の株を小分けに買う分散投資という考え方が大切です
ただ専業の投資家でもない普通の人には、たくさんの株式を選ぶ時間も手数料を払う資金もありません
しかし投資信託を購入することができれば、一つの商品を購入するだけで十分に分散を効かせた投資をおこなうことができます
これで短期的な株価の上下に悩まされることなく、家庭や仕事に意識を集中することができます
仕事に疲れて帰って来てから、株価の値動きを見たり売買したりなんて好きじゃなきゃできません
子育てて心身ともに疲れているのに、株価が大きく下がったら心の余裕がなくなってしまいます
普通の人が、負担少なく資産運用を行えるシンプルさが投資信託の最大の利点です
時間の力

株価は上がったり下がったりしながらも200年間、右肩上がりで上昇を続けています
積み立てによる長期投資のメリットは、短期的な暴落の影響を受けにくいということです
例えば5年間の積み立てで3〜4年目に暴落すると回復できない可能性が高いです
しかし20年積み立てると5年目の暴落も、その後の暴落も時の力で回復できる見込みが出てきます
仮に出金間近の20年目で暴落しても、複利の力で元本が膨らんでいるため
つみたてNISAが最も強みを発揮するのは15年〜20年積み立てた場合だといわれます
手数料の安いインデックスファンドを、無理のない範囲でコツコツ積み立てる
時に「退屈」といわれてしまうこの投資手法こそ、普通の人の勝ち筋です
複利の力

複利とは利子を元金に組み入れることで、更に次の利子を増やす状態です

増えたお金が、またお金を連れてきてくれている状態ですわー
天才物理学者アインシュタインは複利を「人類最大の発明」と述べました
では具体的に複利の力を見てみましょう
100万円を年率5%で60年間運用
毎年利息を受け取って使った場合と、利息を元金に組み入れた場合で比較します
1,000,000円を年利5%で複利運用すると
60年後に18,679,186円、約18.68倍になります。
単利では 4,000,000円となり、その差は 14,679,186円です。
王様カエルの計算ツールさんより引用

100万円が1800万円、素敵ですわ〜

まあ60年ですけどね
次に積み立てNIsaで毎月33,333円を利率4%で20年間運用したとします
全世界型株式インデックスの利回りが平均3〜7%といわれていますので
低めにとって利率4%と仮定しました

積み立ての合計額が約800万円 運用収益が約420万円です
これが複利の力です
注:あくまでシミュレーションです
国(制度)の助けを得ることができる
つみたてNISAやiDeCoといった非課税制度を利用することができます
「もう老後の面倒はみれないから、じぶんたちでなんとかしてね〜( ^ω^ )」
ってな感じで制度を作ったのに、国民が次々破産したら大変なので
つみたてNISAでは比較的堅実な投資信託しか選べないようになっています
iDeCo
つみたてNISAとおなじく利益に対して非課税なうえ所得税の控除も受けることができる
いいことずくめっぽいが、60歳まで引き出せないのが難点
つみたてNISAを満額までやって余裕があったら検討するぐらいが吉
投資信託のデメリット
大きく儲けることは難しい
分散投資をするということは儲けも分散しているということです
いまはアメリカ株が絶好調といわれていて
年間40%以上の利益を出している投資信託も少なくありません
でも実はすべてのアメリカの株が好調というわけではなくGAFAMと呼ばれる
アップル、グーグル、マイクロソフト、Amazon、フェイスブックの5社だけで
株式市場全体を強力に牽引してしまっている状況です

なので最近の高騰を普通だと思って始めるとガッカリするかもしれません
短期間に大きく儲ける事は期待しない方が無難です
対面販売だと微妙な銘柄に誘導されることがある
銀行や証券会社などのいわゆる売り手(営業職)が
手数料欲しさのため顧客の利益を無視して
微妙な投資信託を売ろうとしてくることがあります
かぴおの身近にも銀行員に薦められるまま微妙かつ手数料の高い投資信託を購入し
あっという間に元本割れで撤退してしまった人がいます
もちろん売り手に信頼を寄せているなら、すすめられるままに購入するのもアリです
投資の責任は自分以外に取れませんから、信じる人を決めるのも自分です
でも米国バンガード社や、国内でいえば三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズ
低コストで実績がある運用会社をあえて避けて変な投資信託を選ぶ理由はないです
米国を代表する資産運用会社バンガード社の社外取締役リチャード・エリスは
私たちのような”普通の人”が手堅く資産運用を行うために
「手数料の安いインデックスファンドを無理のない範囲で買え」(意訳)と述べています
でも手数料の安いインデックスファンドを売っても銀行は儲けにならないんです
対面販売だと色々と手続きをしてくれて助かる側面もあります。ただ利害が一致していない相手に大事な資産を委ねるリスクがあることも考慮しましょう
ゆうちょが高齢者にリスクを説明せずに販売して社会的問題になった投資信託は、41銘柄中39銘柄が元本割れしていました。手数料の高い分配型投資信託を売るため組織的にモラルを捨てたのです
もちろんこれは極端な例で、多くの銀行員や証券会社の営業職は所属組織の利益が守られる範囲で、顧客の利益を最大化しようと努力はしてくれるはずです
ただ私たちの投資目標(老後資金、教育資金など)と売り手の目標(多くの手数料を得る)が一致しない場合があることに注意してください
投資信託のような金融商品や保険の契約など専門知識が必要な取引では、売り手と買い手の情報格差が大きくなります。そのため売り手はもっと買い手に適した商品や契約があることを知りながら、所属組織の儲けを優先し、買い手に損害を与える場合があります。
可能なかぎりネット証券やネットで契約が可能な保険会社を使用することが固定費の削減につながります。たとえば楽天証券、sbi証券。生命保険ならライフネット生命、自動車保険ならイーデザイン損保などが個人的にはおすすめです。
”普通の人”のための投資ステップ
暮らしの維持とリスク許容度を反映したポートフォリオを作成する
手元に残すべき現金(円預金)を明らかにする

働けなくなったときのため3〜24ヶ月分の生活費を現金(円預金)として手元に置く、生活防衛資金という考え方があります
個人的には生活費を24ヶ月分も貯めてから積み立て投資を始めるのは機会の損失だと思っています
つみたてNISAで購入した投資信託は必要に応じて部分売却できますので
費用な時にはためらわず売却する心の準備さえあれば6〜12ヶ月で十分ではないかと考えます
もちろん得られたはずのリターンからは大きく下がってしまいますので覚悟は必要です
また必要な生活防衛資金は家族構成や住環境によって大きく変わりますので、よく考えて妥当な配分を計算することをおすすめします
自分自身のリスク許容度を明らかにする
投資の世界におけるリスクとは基準価格に対する値動きの幅のことです
リスク許容度を5%とするなら、5%以上の下落だけではなく5%以上の株価上昇にも警戒しなければいけません
それは想定を越えた値動きをしていることを示しているからです
30%の利益が出ているときにこそ、30%の損失がでても耐えられるか自問自答するべきです
もし耐えられないと思うなら、よりリスクの低い金融資産の比率を増やしましょう
リスク許容度に応じた投資信託の銘柄を選ぶ
とはいえ、いま一般的に初心者の選択肢にあがるのは
S&P500などの米国株式インデックスか全世界株式インデックスのどちらだと思います
そして米国株が絶好調で時価総額があがり続けているため
全世界株式インデックスにおいても米国株式が半分ぐらいしめていたりします
なので加熱気味ともいわれる米国株相場の影響を上るも下がるも半分にするかどうかという選択です
悩むなら慣れるまではeMAXIS Slim全世界株式インデックスのつみたてを低額で行うことをおすすめします
この記事のまとめ
この記事を書くにあたり参考にした書籍
現代経済学の直観的方法
経済という得体の知れないものの輪郭に触れることができる本です
2020年に読んだ本で一番面白かったです
世界経済は浮き沈みを繰り返しながらも
長期的に見れば成長し続ける(できなければ資本主義の前提が崩壊する)理由がよくわかります
かぴおが全世界株式を対象とする投資信託の比率を増やす一因となった本です
なおビットコインなどの暗号通貨についても非常にわかりやすく解説されていて
この本でようやく仕組みを理解できた感があります
また暗号通貨が投資対象として自分の手には負えないことも理解しました
自分の子どもが経済に興味を持ったらすすめたい本
お金は寝かせて増やしなさい
数年前に買った本ですが殆ど読まないで寝かせてました
もっと早く読んでおけばよかった・・・
梅屋敷商店街のランダムウォーカーというブロガーの方が作者です
「30%の利益が出ている時は、30%の損失が出ていても自分が耐えられるかどうか考える」
という運用見直しのタイミングについて教えてくれた一冊です
当たり前だけど儲かっている時はマイナスのことは考えません
リスク許容度は自分の価値観=投資の方針を知る良いものさしだと思います
ウォール街のランダム・ウォーカー
本当の意味で頭のいい人が書いたユーモアに富んだインデックス投資本
自分の子どもが投資に興味を持ったらすすめたい本①
敗者のゲーム
本当の意味で頭のいい人が、ただひとつの結論
「手数料の安いインデックスファンドを無理のない範囲で買え」(意訳)
を導き出すための証拠を並べ続ける本
自分の子どもが投資に興味を持ったらすすめたい本②

本は押し付けられても面白くないからね
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